2011年04月19日

耐震の様子

満開だった桜も、大分散ってしまいました。
ちょっと切ない気持ちになります。
施工管理課の平野です。


甚大な被害を及ぼした東日本大震災に被災されました方々に
心からお見舞いを申し上げます。
復興に向け、私たちもできることをやっていこう!


今回は、現在工事中物件の耐震補強の様子を
ご紹介したいと思います。

既存で残す部分もある中で、耐震補強や増築を行う計画のため
非常に段取り力や技術力が問われる工事内容です。
耐震に関しては、市の助成金制度を利用します。

「補強計画」
補強計画

改装後の耐震診断数値が、補助金を受けられる基準以上に
なるように補強計画がされます。
耐震には筋交いの入った壁の量・位置のバランスが非常に重要。
残す壁は慎重に残しつつ、反対側の壁を剥して筋交い入れ・
柱の金物補強を行っていきます。

「筋交い入れる前」
筋交い入れる前 

「筋交い入れた後」
筋交い入れた後

「筋交い2」
筋交い2

また、柱と土台や梁、梁と梁の接合部の金物補強も非常に重要です。

「金物1」
金物1

「金物2」
金物2

実際、あの地震があった当日に、
他の現場で構造補強途中だった大工さんが、
まだ金物が付けられていなかった梁の接合部が、
揺れによりパカパカと開いているのを目撃したそうです。
金物が付けられているところはガッチリとしていた。
まさに小さな巨人!
大工さんも金物の大切さを実感したようです。

そして、一箇所 難関がありました。
耐力壁のバランス上、既存和室の一部の壁に
筋交いを入れる必要がありました。
しかし和室の化粧材(長押や鴨居・廻り縁など)は、
今あるものを残していきたいとのこと・・・

う〜〜ん、それは無茶だろう・・・

正直な話、最初はそう思っていました。
新たに筋交いを入れるには、その面の壁を一度剥す必要があります。
内壁は剥せますが、長押・廻り縁を残したままでは筋交いは入れられません。
一度はずして再取付けも厳しそう。

長押と廻り縁は一部壊して、そこだけ新しく造り直すか?
外壁を壊して外から入れるか? の選択。

前者は見た目に違和感が出そうだし、
後者はコストがかかり過ぎます。

なにか他に良い案はないだろうか?
社内の皆や担当の大工さんも交えて考えていたところ、
ひとつの案が浮上、

・・・ブレースなら入りそう!

木の筋交いは入りませんが、
ステンレスのブレースなら直径1cmしかないので、
長押や廻り縁があっても壁の中に入れられる!

ということで、耐震金物として国土交通大臣認定を受けている
「コボット」のブレースを採用しました。

「ブレース施工後」
ブレース施工後

これなら耐力壁として認められます。
石こうボードでふさぎ、クロスを貼って仕上げです。

「和室完成」
和室完成
ちょっとイレギュラーなパターンでしたが、
この場面では最良の選択だったと思います。


耐震補強を考えている方、是非当社にもご相談下さい。
コストと生活の便利さと格好よさの最大公約数を一緒に探していきましょう。
桜井チーフのブログから頂戴! )

工事部はそれをカタチにする最大限の努力をします。

施工管理課 平野

posted by sekou at 13:29| Hirano(設計課へ引越し)