春一番も吹き、春がそこまでやって来ている様ですね。
今回は秦野でリフォーム工事中のK様邸での出来事を
お話させて頂きたいと思います。
着工する前の立会いにて解体範囲の確認をしていたところ、
ご主人様が、
「解体してしまうのだから、壁にらくがきしても大丈夫ですよね?」
とのお話がありました。
「大丈夫ですよ」
と、返事をしながら、
頭の中では、漫画のサザエさんで、障子を貼り替える前に
らくがきをして、穴を開けているカツオの姿を想像していました。
解体前日、現場で解体前の最終確認をしていると
『らくがき』が目に止まりました。
その『らくがき』は・・・
お子様達が書いた「いままでありがとう」と言う
家へのメッセージでした。
カツオを想像していた私は、恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。
この家の、床のキズや壁の汚れ、そのひとつひとつに
K様家族の思い出がいっぱい詰まっている。
そんなことは頭では、分っていました。
ですが、この『らくがき』のおかげで、
改めて、心から感じる事が出来ました。
そして、この『らくがき』を見て、
思い出した事が、ひとつあります。
子供の頃に住んでいた家が、建替えの為、解体される時の事です。
母が、「もっと早く、一瞬で壊してくれればいいのに・・・」
と、つぶやいていた、そんな忘れてしまっていた記憶です。
その時、新しい家になる事で、頭がいっぱいだった私には、
その言葉の本当の意味が分りませんでした。
今思えは、思い出の詰まった家が、
壊されて行く姿を見たく無かったのでしょう。
『らくがき』のおかげで、
そんな懐かしい記憶の本当の意味に気づくことが出来ました。
建物の全貌は、大きく変りますが、
K様のお宅は、リフォーム工事です。
K様家族に『これからもよろしく』そう思って頂けるように、頑張ろう!!
気持ちを引き締め直した瞬間でした。
そんなK様邸は今・・・
K様家族の新たな思い出、そして命を守るため、
大工さんが構造補強工事の真っ最中です。
施工管理課 早川