2月に入り、引き続き寒い日が続いていますが。。。
などと思っていた矢先、
先週末に45年ぶり(驚!)というような大雪が関東近郊に降りました。
天気予報をチェックして、全監督に全施工中現場の養生等の
チェックを指示していたものの、ここまで降るとは正直思いませんでした。
皆さんは大きなトラブルはありませんでしたか?
私の自邸は小高い傾斜地の上のほうに建っているので、
まさに陸の孤島状態(苦笑)。
前面道路はどこからどこまでが道かも解らない状況で、
とても車は出せませんでした。
自邸近景
ウッドデッキも雪のカーペットを敷き詰めたようですし、
バルコニーの手摺には、この狭い巾の上に15p以上の
雪が積もっていました。
ウッドデッキ
バルコニー
今週は、こんな日は炎の暖かさが身に沁みるなぁ、
と週末の夜は薪ストーブの前に陣取って
お酒を頂いていた大坂が書かせて頂きます。
薪ストーブ
今週は、基礎配筋検査が2件、木工事完了検査が1件、
工事完了検査が1件ありました。
さて、前回は少し寄り道をしましたが、
今回は話を戻して「環境配慮型設計の実践例」として
自邸の紹介の続きをお話したいと思います。
これまで、「開口部と通風の設計」、
「採光と日射遮蔽」ときましたので、
今回は「自然素材設計」について、
特に珪藻土についてお話したいと思います。
部屋によって多少は異なりますが、
自邸の内装の雰囲気はこんな感じです。
居間の内装写真
床は国産杉の無垢材(水周り等はタイル貼り)、
壁は珪藻土塗り(一部腰板張り)、
天井はクロス貼りや桧無垢縁甲板張りなどです。
珪藻土とは、植物性プランクトンが化石化したもので、
内装の仕上げ材として現在ではかなりの認知度が
一般の方々にもあるようです。
その独特な質感や雰囲気だけでなく、
湿気を調節したり臭いを吸着するなどの様々な
優れた機能を有する仕上げ材です。
しかし、市販されている珪藻土建材は
数十〜百数十種くらいはあり、その内容は千差万別。
含まれる珪藻土の割合の大小や、自然素材以外の成分の有無など、
性能にも大きく影響するチェックポイントがいくつかあります。
珪藻土を採用して「自然素材設計」をする場合は、
まずその建材の選定がとても大切です。
この点については、また別の機会に詳しくお話したいと思います。
さて、内装の仕上げにただ珪藻土を塗るだけでは
「自然素材設計」とは言いません。
先ほど延べましたように、珪藻土には調湿や吸着、
吸音などの優れた機能がある反面、
擦れなどの衝撃に弱い等のデメリットもあります。
そして何より、性能の良い珪藻土ほど湿気を吸い込みますから、
もしその性能値以上の湿気が与えられ続ければ、
蓄えたたくさんの水蒸気が原因となり
カビが発生するということが起こりえるのです。
つまり、どんな優れた素材でも、適材適所に、
そして適したかたちで使用することが大切。
そしてそれは取り扱いが難しい自然素材なら尚のことなのです。
では、珪藻土についての「自然素材設計」の実例を、
自邸の写真を例にいくつかご紹介いたします。
水周り、特に洗面や手洗いなどの直接水が掛かる
可能性のあるところは、水かかりの範囲に
タイルなどの耐水性の高い素材を組み合わせましょう。
手洗いカウンター
タイルは様々な色味や質感のものがありますので、
機能だけではなくデザインにも寄与し、個性が発揮されるところです。
自邸の場合は、ここだけということで妻の趣味で
可愛らしい色味のモザイクタイルを貼っています。
また、よく手足が触れたり、布団などが擦れる部位には
その対策も必要です。
子供室の壁
自邸では、将来子供室とする予定のスペースには、
床から約90pまでシナベニヤが貼ってあります。
これはキズや汚れ対策で、
仕上げにはオスモワックスが塗ってあります。
他にも、つま先がよくぶつかるカウンターデスクの下や、
ベッドや机を寄せる壁面などでも、
キズ対策として同様の仕上げを施します。
とてもシンプルな仕上がりになるので、お客様にも好評で、
最近では居間や廊下などでも同様の設計をすることが増えてきました。
写真「居間の内装写真」を見ていただくと、自邸の居間では
杉の縁甲板が腰壁として張ってあります。
適材適所という意味では、臭いを吸着する機能を生かし、
珪藻土をトイレ内にもよく塗りますが、湿気や手垢等が心配なことも。
その場合には、壁は汚れに強い素材で仕上げ、
天井に珪藻土を塗ることもあります。
同様に、モノの出し入れ時のキズ付けが心配な納戸などでも天井に塗り、
湿気対策とすることあるのです。
どの場合でも、区画された空間の体積(つまり空気の量)に対して、
求める機能がちゃんと発揮できる割合以上の面積に珪藻土が
塗られていることが重要です。
この比率は、採用する珪藻土の性能によって異なりますので、
しっかり検討する必要がありますね。
以上、珪藻土の採用時の「自然素材設計」について、
簡単ですがご説明させて頂きました。
余談ですが、私には2歳になる息子がおり、まだオムツをしてますので、
居間の片隅に専用のゴミ箱が置いてありますが、
珪藻土のおかげで臭いがまったくと言っていいほど気になりません。
素朴で柔らかな質感、見た目にも機能的にも
住む人に優しい自然素材を上手に採用する為に、
「自然素材設計」は大切な要素だと考えています。
興味がある方は是非実感していただきたいと思います。
では、続きは次の機会に。
施工監理課 大坂