2013年04月09日

何事もはじめが肝心

4月に入り、今年は例年よりかなり早く咲いた桜も新緑が混ざり始めましたが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今週は、春恒例の花粉症と日々格闘している大坂が書かせていただきます。

この1週間では、構造軸組み検査が3件、木工事完了検査が3件、
外装工事完了検査が1件ありました。

それとは別に、新築工事のお客様の地鎮祭が1件ありました。


これまで何度したか解らないくらい地鎮祭には参加しておりますが、
神主さんの美しい立ち居振る舞いと、祝詞を奏上する荘厳な声を
目の当たりにすると、毎回ピリッと身が引き締まり、
改めて「これから工事が始まるんだ」という気持ちになります。

さて、新築工事の始まりが地鎮祭だとすると、
リフォームの計画は何から始まるのでしょう。

〜 優建築工房のリフォームは細心の「現地調査」から始まります。 〜

これは、弊社の広告にある言葉です。

広告

適切なリフォームをする為には、劣化状態などを含む建物の
現在の状況とその周辺環境を正確に把握することが不可欠です。

私共では、この現地調査を特に入念に行い、
リフォームの設計計画の礎にするとともに、
お客様に「現地調査報告書」として写真や解説を付して提出しております。

言わば「家の診断書」
ひとに置き換えれば、人間ドックで身体中を詳細に調べ上げる感じでしょうか。

この事前の調査のことを、
専門用語で「インスペクション」と言いますが、
実は最近よくこの「インスペクション」という言葉を耳にするようになりました。

不動産業界では以前から使われていた言葉ですが、
その建物の市場価値を判断する為に調査をすることを指しています。
簡単に言うと「いくらで売買できるか」ということです。

しかし、リフォーム業界では少し意味が異なりまして、
既存住宅を調査、診断することによって、
現況や性能を把握し、現在の価値を判断するだけでなく
リフォームでの可能性を導き出す為の情報を得ることを
インスペクションと呼んでいます。

今、国ではこのインスペクションの普及促進のための
ガイドラインを作成しています。

これは、かねてから国が取り組んできた中古住宅流通市場の
環境整備の一環で、中古住宅の品質確保とリフォーム工事の
質の向上のために国としての基準を示そうとする動きです。

前置きが長くなりましたが、先日このインスペクションの
講習に参加して参りました。
私共も加盟しているジェルコ(一般社団法人 日本増改築産業協会)
という団体の主催で、国のガイドライン策定に先駆けて指針を
まとめたものを学んできました。

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これがその資料ですが、かなりの厚さです。

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私共では、独自の基準で日々このインスペクションを行っています。
しかし、これまでの慣習に甘んじることなく、常に最新の情報を入手し、
国をはじめ様々な機関の指針を踏襲しながらも、
より質の高い提案が出来るよう自社のインスペクションの
レベルアップする努力を続けております。

少子高齢化が進むにつれ、これからますます住宅のリフォーム、
リノベーションの果たすべき役割は増大していくと思います。
私共もその一役を担うべく、これからの業務に取り組んでいかなければ。
講習を受けながらそんなことを考えていたら、
またピリッと身が引き締まる思いがしました。

私共がご提案するインスペクションの内容については、
次の機会にご紹介したいと思います。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 14:17| Osaka

2013年02月26日

ご来場いただき、ありがとうございました

2月も終盤に差し掛かりましたが、寒さはまだまだ続きそうです。
今年は何度か雪も積もるような冬ですが、皆さんはいかがお過ごしですか?
今週は、寒さが大の苦手で、出来ればこの時期は冬眠していたい!
と毎年書いている大坂が書かせて頂きます。

今週は、
解体工事完了検査が2件、
軸組補強完了検査が1件、
木工事完了検査が1件、
外装工事完了検査が1件、
工事完了検査が2件ありました。

それとは別に、前回のブログでご紹介した私邸の完成見学会を、
2月23日(土)、24日(日)の2日間で開催しました。

見学会チラシ

2日間で40組以上のご来場があり、大変な賑わいとなりました。


画像 1

画像 2

ピークの時間には、お客様の履物が玄関から溢れてしまいました。

画像 3

なかには、会社設立当時からのお付き合いのお客様がいらして、
懐かしいお話と新たなお仕事のご依頼まで頂戴しました。
T様、わざわざお越しいただき、ありがとうございました。

おかげさまで大変評判も良く、たくさんのお客様から「こんな家が欲しい」、
「こんなキッチンが理想」、「こんなに考えられた収納を我が家にも」
などのお言葉を頂きました。

実は一番多いご意見は「なんて見晴らしのいい場所なんだろう」という、
家ではなく景色のことでしたが(笑)、
景色の良さを生かす設計をしたのですよ、と笑ってお話していました。

それと同じくらい多かったご意見が「なんて暖かい家なんだろう」でした。
当日はとても寒い日でしたが、薪ストーブを弱めに焚いていただけです。
それでも、開け放したままの玄関ドアから建物内部に入り、
引き戸を開けて居間へ入ると、皆さん声を揃えたように
暖かさについて声を上げられました。

そして、「居間だけじゃなく家全部が暖かい」、
「薪ストーブ1つで1階も2階も暖かい」、
「1階と2階の温度差が少ない」などの感想を持たれたようです。

室内温熱環境を良く考慮したプランニング。
サッシや床下、壁、屋根の各断熱材の選定とその適切な施工。
などによって、こんな家が出来るんだということを
たくさんのお客様に体験していただけました。

今回の見学会にはお越しいただけなかったお客様にも、
ご要望があれば適宜担当がご案内することも出来ますので、
是非お申し出下さい。
(私邸ですので、突然のご訪問や全ての日時のご依頼に
お応えできるわけではないこと、ご了承下さい)

また別の機会に、今度は夏の暑い時期の住まいを
体感していただく見学会も検討していますので、
開催の際には是非お越し下さい。

それにしても、やはり「炎」というのは
なぜか人を惹きつける力があるようです。

友人などが来たときも同じなのですが、
見学会にご来場いただいたお客様も
薪ストーブの前では、
ついついくつろいで担当と長話をしていました。

画像 4

狙い通り!
設計者冥利に尽きます。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 19:48| Osaka

2013年01月08日

是非ご覧にいらしてください

2013年になって少し経ってしまいましたが改めまして、
新年、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

私共も1月6日までお休みを頂いておりましたが、
皆様はどんなお正月を過ごされましたか?
今週は、年末年始は引越しの片付けに終始して
あまりお正月気分を味わえなかった大坂が書かせて頂きます。

私事になりますが、昨年の夏から年末にかけて自宅を建設しておりました。

恥ずかしながら、予算に限りがある中で建てた私邸ですし、
この場で皆様にご紹介するのもはばかられるのですが、
近日中に見学会を開催する予定もありますので、
それに先立ち少しですが概要をご説明したいと思います。

建物は、床面積がちょうど40坪の木造在来工法の2階建てです。
外壁はガルバリウム鋼板のサイディング張り。
軒裏には杉材の縁甲板が貼ってあります。

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室内の床は杉の無垢材。
壁は珪藻土塗りで一部には腰板が貼ってあります。

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キッチンは、シンク側とコンロ側が別々のアイランドタイプで
家具屋さんに造作してもらいました。

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そして、私の積年の要望であった薪ストーブが
吹抜けの下に配置してあります。

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これまでお客様にお薦めしてきた数々の自然素材を
可能な限り採用しています。
そして、私共が推進している「環境配慮型設計」も
もちろん考慮して、日照や採光の取り方、
通風や空間の広がりなどを配慮した設計となっています。

全てが100点満点で実現できているわけではありませんが、
敷地状況や顧客要望、予算等に合わせて
1軒1軒、設計施工するという私共のコンセプトの中では、
1つの良い参考例になるのではないかと思っています。

見学会の日時などは改めてご案内いたしますので、
ご興味のある方には是非ご覧になっていただければと思います。

さあ、それまでに片付けを終わらせなくちゃ!!


施工管理課 大坂

posted by sekou at 11:41| Osaka

2012年11月13日

現場美化への取組み

11月に入って秋の気配も深まってきた今日この頃。
皆さんは秋の味覚を堪能していらっしゃいますか?

最近は西京漬けに凝っていて、紅鮭、鰆、寒鰤と全て美味しいのですが、
やっぱり銀鱈の西京付けが最高!(笑)と思っている大坂が書かせて頂きます。

この1週間では、工事完了検査が1件、木工事完了検査が2件、
外装工事完了検査が3件、増築工事の基礎配筋検査1件ありました。


各現場での作業は年末に向けて着実に進んでいますが、
当社では日常の業務とは別に小さなプロジェクトチーム
のような単位での様々な取組みを行っています。

環境配慮型設計の推進チームや図面表現の改善チームなど、
現在は4つのチームが業務改善や品質向上のために
定期的なミーティングを持って新ルールの策定に取り組んでおります。

その中のひとつに「現場美化」の推進チームがあります。

私共では、創業以来この現場の美化に取り組んでいますが、
リフォーム・増改築の現場での環境美化は本当に重要な課題です。

お客様がすぐ近くで生活している場合もありますし、
限られたスペースしかなく、材料の置き場にさえ困る現場もあります。

また工期が極端に短く、非常に多くの職人が同時に作業する場合もあり、
そのような中でも当社の基準に従って設営、養生、清掃、整理整頓等が
なされているかを、このチームが定期的にチェックしています。
それも、監督、設計、コーディネーターと、様々な立場の人間がチェックすることで、
より質の高い現場環境になるよう努めているのです。

さらに、今年からは現場美化グループだけでなく、6人いる現場監督同士が、
他の監督の担当の現場を抜き打ちでチェックして、
その報告をもとに更なる改善につなげる、という取組みも施工管理課で始まりました。

ミーティングの様子
ミーティングの様子

これは、他の監督のアラ探しをするということではなく、
いつも見ている自分の現場だけでなく、
他の監督がどのように現場美化に取り組んでいるかを
皆で共有しよう。
そして、施工管理課のメンバー全体でさらなる現場美化を推進しよう。
という監督達からの自主的な声から始まった取組みです。

現場のチェックにはチェックシートを利用し、
皆で検討するために必ず写真も撮ってきます。

写真をもとに検討中
検討中

チェックシート
チェックシート

現場ごとに条件が全く異なりますし、
まだまだ改善することもたくさんあるかもしれませんが、
より質の高い現場環境と施工を目指しての取組みの
一端を紹介させて頂きました。

工事現場にもし私共の看板を見かけたら、
是非作業の様子と現場美化への取組みを覗いてみてください。

おまけ

現場の環境が良いと、全面道路の居心地もいいのでしょうか?(笑)

くつろぐ猫
おまけ


施工管理課 大坂

posted by sekou at 16:32| Osaka

2012年09月25日

構造見学会

9月に入っても残暑が一向に納まらず、
各地で観測史上最高の暑さなどと言われた夏もやっと過ぎ、
少しずつ秋らしさが増してきたかな、と感じる今日この頃ですが、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
今週は、8月末でまた1つ歳をとった大坂が書かせていただきます。

この1週間では、工事完了検査が2件、木工事完了検査が1件、
外装工事完了検査が1件ありました。

それとは別に、先週末の2日間で相談会を兼ねた構造見学会と
予約制の完成見学会を2会場で同時開催していました。
たくさんの人にお越しいただき、ありがとうございました。
私は構造見学会の方を担当いたしまして、
お客様といろいろなお話をさせていただきました。

今回の会場となった物件は、
現在現場レポートで公開している伊勢原市のTD様邸。
築35年の建物を一部減築してカースペースを作り、
一部増築もして2世帯住宅にするという大規模なものです。
(詳しくは、是非現場レポートをご覧下さい)

その構造が剥き出しになり、耐震補強の状況を
見ていただける状態での見学会でした。

構造見学会1

昨年の東日本大震災の記憶も新しい中ですので、
皆様、耐震補強などの家の強化にはとても興味があるようでした。

現地には実際に使用する構造金物や、
最新の制震装置も展示してありましたので、
「これを付けれるといくらするの?」
「これでこの前みたいな地震が来ても大丈夫?」
などとたくさんの質問を頂きました。

構造見学会2

また、私共の施工事例や改装コンセプトなどの展示もしており、
皆様に見ていただくことが出来ました。

構造見学会3

その場でもご説明しましたが、耐震補強とは何か。
金物や装置をただ付ければ良いというものではなく、

@ まず建物の現状の強さと劣化状況等を正確に調査し
A それをもとに適切な改装プラン(壁や窓の位置の変更等)を立て
B そこに補強計画(耐力壁の配置や使用金物の選定)を落とし込む

という熟練を要する作業が必要なんです。

耐震補強をするお客様は、大なり小なり内外装の工事や
水周りの工事も同時に行うことが多いので、
当然、お客様のご要望と予算を反映させることも重要です。

そして何より、その計画を適切に実施する施工力と予期せぬ
建物の劣化などに対処する現場対応力がとても大切です。

今回の見学会では、そんな耐震補強を伴う増改築工事の一端を
お見せできたのではないかと思っています。


優建築工房では、これからも様々な見学会などを通じて、
皆様に私共の現場や取り組みを見て、体感していただくことを考えています。

また、見学会の開催はしていなくても、ご希望があれば
現場をご案内させていただくことは可能です。

今回はご覧いただけなかった方にも、
今後是非見ていただければと思っておりますので、
いつでもお気軽にお申し付け下さい。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 08:59| Osaka

2012年07月31日

江戸東京たてもの園に行ってきました(続編)

本格的に梅雨入りし、じめじめした毎日ですが、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
と書き出したのが前回の私のブログでした。
あっという間に今回は夏真っ盛り。
今週は、夏産まれで夏大好きな大坂が、
前回の続編を書かせていただきます。


「江戸東京たてもの園」については、前回簡単にご説明しましたので、
今回は割愛させていただきます。
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また、前回は前川國男邸をご紹介しましたので、
今回はそれ以外の建物をざっとご紹介します。

 まずは「小出邸」です。
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こちらは、日本におけるモダニズム運動を主導した建築家の堀口捨己が
設計した住宅です。
当時のオランダの流行と和の伝統的な造形が折衷したデザインですね。

玄関前はこんな感じ。
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丸い開口とこじんまりした空間が、とても可愛らしい玄関です。


そして、こちらは「高橋是清邸」の内部の写真です。
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荘厳な心壁造りの和の空間に、赤絨毯と洋風なテーブルと椅子のセット。
それも工芸品のような装飾が施されています。


現在の我々の感覚としては大変なミスマッチに感じますが、
当時の、特に高貴な人々が集まる空間としては、
最上のものだったに違いありません。

文明開化の時代。
欧米への憧れが強く伝わってきますね。

その先を歩いていると、突然視界が開けて
昭和初期のような空間が広がっています。

そこかしこで、蝋石で道に絵を書く子や棒で鉄の輪を
転がして遊んでいる子などがたくさんいます。
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大正から昭和にかけての店舗建築のエリアです。
このエリアでは当時の遊びも体験できるようです。


こちらは昭和初期に建てられた乾物屋さんです。

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右手前のたばこ売りスペースが懐かしい哀愁を誘います。


そしてこちらは、江戸末期の建物を昭和に居酒屋として使っていたものです。
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今でもこんな雰囲気の店があったら是非飲みに行ってみたい
と思ってしまいます。

最後に、「子宝湯」という銭湯です。
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話によると、「千と千尋の神隠し」の銭湯のモデルになったと
言われている建物です。

内部はこんな感じで、更衣スペースも浴室内もとても天井が高い、
開放的な空間になっています。
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当時の大人の入浴料は15円だそうです。
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入浴者心得なんてのもあります。
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銭湯の番台の写真です。
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私は5歳まで銭湯通いをしていたので、
なんだかとても懐かしい記憶がたくさん蘇ってきました。
毎日のように母親と通ったものです。
母親とですから、当然女風呂に入ってました!

話が反れましたが、2回にわたって江戸東京たてもの園の建物をご紹介しました。
建物に興味のある方なら皆さん楽しめる公園だと思います。
お子さんの夏休みの自由研究などにもお勧めですよ。
私も、普段の仕事での関わり方とは違う建物とのふれあいを楽しんだ一日でした。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 10:47| Osaka

2012年06月19日

江戸東京たてもの園に行ってきました

本格的に梅雨入りし、じめじめした毎日ですが
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今週は湿気の多い時期、持病の腰痛に悩まされる
大坂が書かせていただきます。

私は先日、ちょうど梅雨入りする寸前に当社の休暇制度である
リフレッシュ休暇を頂きました。

この制度は、
『質の高い建築を創るためには、質の高い建築を体験することが必要』
という社長の考えの下、4年ほど前に制定したもので社員が交代で
取得できる連休です。
そこで私は、東京の小金井市にある「江戸東京たてもの園」に行ってきました。

ここは、1993年に東京都が江戸東京博物館の分館として、
現地保存が不可能な文化的価値の高い建造物を移築し、
保存、展示をしている施設です。

施設内には江戸時代中期の茅葺きの農家から、
明治時代の高橋是清邸、大正から昭和初期の商店建築など、
様々な時代と種類の建物が時空を超えて建てられています。

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その中で、今回は前川國男邸を紹介したいと思います。
この住宅は、建築家 前川國男さんの自邸で、
私が建築を学んだ時にはもう教科書に載っていた建物です。

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有名な建物ですので、
皆さんも写真などで目にしたことがあるかもしれません。
非常に大らかに切妻の屋根が架かり、
左右対称の落ち着いた外観をしています。

中央の柱が、高くて大きな軒下空間を支え、
ガラス戸と障子が内部の吹抜けを優しく包み、
中と外を上手に繋ぎ、また仕切っています。

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大きな建物に見えますが、実際はとても住宅らしいスケール感と
ボリュームを持っていて全く圧迫感がありません。
側面には勝手口もあり、デザインや空間の提案や主張だけではない
住宅としての機能や使い勝手も考えられていることがわかります。

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明り取りの欄間があったり、勝手口ドアには通風用の小窓が付いていたり
現代の住宅にも通じるデザインがもうすでに採用されています。

よく見ると、横の浴室の窓は目線の高さまでは曇りガラス
その上には透明ガラスと2段構成になっています。
うまい!

玄関は北側にあるのですが、そこまでのアプローチがとても素敵でした。

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敷地の広さに余裕が無ければ出来ない贅沢な空間ですが、
こんなアプローチを通って家に近付いていくだけでワクワクしてしまいます。

内部は居間の吹抜けを中心としたシンプルな構成ですが、
とてもダイナミックで、でも落ち着きのある、居心地の良さそうな空間です。

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このダイナミックさと落ち着き感の両立が、
空間の構成ではとても難しいのですが・・・
ぜひ学びたいと思います。
そして各所に様々な工夫と遊び心が見られます。
食卓の後ろの間仕切り壁には、
カウンター付きの小さな窓がありますね。
この裏側はこんな感じ。

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キッチンに繋がっています。
配膳に使う窓なのでしょね。

キッチンを隠しながら、でも配膳は楽に出来るように。
という奥様への配慮が感じられます。

そのキッチンは、陶器のシンクとタイル貼り天板のシンプルだけど
当時としてはとてもモダンな造りです。

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並びにはコンビネーションコンロらしき物や外国製と思しき
冷蔵庫までありました。
その奥は、給湯設備があって、その横が勝手口です。

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浴室は、トイレも兼ねた欧米風。

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この写真の方が、先ほどの浴室の窓ガラスの説明が解りやすいでしょうか。

障子を壁に引き込み、大きな開口に出来る窓を持つ寝室。

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とても居心地が良さそうです。
寝室には、壁1面のクローゼット。

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内部に引き出しなどを備える、建築家らしい気遣いの造りです。

そして、最後に面白い工夫を1つ。
玄関から居間へ入る扉ですが、これが非常に大きいのです。

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これは、普段は開けて固定しておくことを前提としていて、
あたかも衝立が置いてあるような設えになっています。

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冷暖房など、様々な用途で閉じることもあるのでしょうが、
あえてこの戸を大きくして、壁ではなく軽やかな仕切りとして設え、
居間への目線の操作と、ダイナミックな空間へ導く動線を
作り出しているのだと思います。


この建物が出来たのは、戦時体制で非常に資材が乏しい時代でした。
確かに、豪華絢爛な装飾は全くと言っていいほどありません。
しかし、建築家の発想と空間構成の見事さで、
こんなに素晴らしい住宅が出来るのだなぁと、
改めて感激した体験でした。

施工管理課 大坂

posted by sekou at 11:47| Osaka

2012年05月08日

開けてびっくり!!

大型連休は全体的にあまり天気に恵まれず残念でしたが、
皆様はどう過ごしましたか?
最終日には筑波市で猛烈な竜巻が発生し、大変な被害がありました。
被災された方々には心よりお見舞いを申しあげます。

改めて自然の驚異を実感し、そこから人々の命や生活を守る
『家』造りの重要性と責任の大きさを痛感した大坂が、
今週は書かせていただきます。


先週は連休だった為、お休み前に完工検査が1件でした。

少し前に建築専門誌からの取材を受けました。
一般の方の目にはほとんど触れない専門誌ですので、
あまり弊社の宣伝にはならないのですが(笑)、
取材には社長を筆頭に出来る限り協力をさせていただいています。

内容が技術寄りの取材の場合は私も同席するのですが、
近年は複数の出版社からしばしば依頼が入ります。

やはり、リフォーム・増改築、特に大型の構造や
インフラの変更を伴うような工事の場合は、
技術的な検証とその施工のチェックが重要だという認識が、
業界内でもどんどん高まっているようです。

これまでは職人さんの勘と経験任せで、出来上がった
品質に非常にバラつきが大きい業種でした。
もちろん職人の経験に基づく技術はとても大切な要素ですが、
それだけでは足りません。
知識と経験、資格等を持った設計者と現場管理者が、
詳細な事前調査を行い、綿密な計画を立て、
それでも施工中に起こる様々な想定外の状況を
ひとつひとつしっかりとチェックしながら解決して、
初めて質の高い工事が出来ると私共では考えています。
取材では、そんな私共の取り組みを実例を交えながら
お話させていただきました。

その中で記者の方に
「開けてビックリ!みたいな工事中の事例を教えてください」
と言われてご提示した写真を今回は少しだけご紹介します。


既存のお風呂を解体した状況です。
かなり湿気がまわり、シロアリの被害も甚大でした。
開けてびっくり1


既存の窓から雨水の侵入があったようで壁の下地が腐食しています。
開けてびっくり2
実は、このような事例はしばしば見られます。
事前の調査で、ある程度の予測がつく場合は、
工事前にお客様にご説明もでき、状況を把握していただけます。
こちらの対応についても想定内のこととして対処できます。

が、しかし。。。以下のような開けてから愕然としてしまう
事例については、それからの対処になり、工程などにも影響がでてしまいます。


事例:1
開けてびっくり3
以前の工事で、耐震にとても重要な筋違いが切断されています。

事例:2
開けてびっくり4
同じく大事な筋違いに穴が開いてしまっています。

きっと、一般の方が見てもビックリするのではないでしょうか。
これらは、故意か、無知か、過失かは解りませんが、
工事の最中で起こしてしまったことだと思われます。

同じ建築に携わる技術者としては、
あってはならないことだと考えています。

リフォーム・増改築工事は、
まだまだ未成熟な業界だと言われて久しいですが、
こんな取材のお手伝いをすることで、業界の向上のため
何か私共でも貢献できることは無いか。
そして、我々自身も日々業務の改善に取り組んで、
より質の高い提案と施工が出来るように
努力していきたいと思っています。


最後に、
おかげさまで、この4月で弊社も10周年を迎えることが出来ました。
本当に、ありがとうございました。
今までたくさんのお客様に支えられ、
この日を迎えられたと心から感謝しております。
今後とも、宜しくお願いいたします。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 14:03| Osaka

2012年03月27日

最新技術と伝統技術

日中は暖かい日も増えてきましたが、
今年は春の訪れが遅いような気がしますね。
桜どころか、近所でやっと梅が咲き始めたようです。
今週は先日初めて子供をベビーカーに乗せて近所を散歩をした
大坂が書かせていただきます。
知らない人が見たら、孫を乗せているのかと思われたかも。。。

この1週間では、工事完了検査が4件、木工事完了検査が3件、
木工事軸組検査が2件、外構工事完了検査が1件ありました。


ここのところ、東京スカイツリーのことがニュースでよく取り上げられています。
工事が完成し、あとは5月のオープンを待つばかり。
入場券はネットや電話での予約販売で、ものすごい倍率だそうです。
地上350mの展望デッキと、450mの展望回廊!!
高いところが大好きな私としては、聞いただけでワクワクします。
スカイツリー
この自立式鉄塔としては世界一の高さを誇る東京スカイツリーは、
世界でも稀に見る技術の結晶なんだそうです。

構造計算の技術、部材を軽量化する技術、この高い塔を下で支える
ナックルウォール工法という基礎を作る技術等々。

そして、これら最新の技術を実現する為には、
職人の技術というものが欠かせなかったそうです。
鉄骨の部材をパーツごとに作成する町工場の技術、
特に溶接の技術は大変高度なものだそうです。

しかも塔を支える構造は法隆寺の五重塔を参考にしているというから驚きです。

法隆寺の五重塔は塔の真ん中に1本の丸太の柱が立っていて、
これを支えに全ての構造が成り立っています。
スカイツリーもその心柱に相当するものがコンクリートで作られていて、
心柱制震構造というつくりになっているそうです。

最新の技術を裏で支える伝統的技術と職人の技量。
まさに技術立国、日本の面目躍如といったところでしょうか。


振り返って私たちの仕事である「リフォーム・増改築工事」では、
規模こそ違いますが、最新の技術と伝統的な職人技が常にせめぎあっています。

構造だけでも、木造在来工法、2×4工法、パネル工法、鉄筋コンクリート工法、
軽量鉄骨工法、重量鉄骨工法、etc
しかも、同じ工法でも、年代やメーカーによって様々異なっています。
それを、最新の技術や金物等を使って再構築していきます。
そしてそこには、やはり現場で工事に携わる職人の技術は不可欠です。

伝統に甘えて最新の技術の進歩に目を配ることを怠ってはいけないし、
最新の技術や工法を妄信し、その根底にある伝統に基づく技術の理解が
おろそかでもいけない。

とても難しいことですが常にこれを頭において
日々の設計や工事の管理に望まなければいけない。。。
そんなことを思いながら、
スカイツリーの入場の人気が少し落ち着いたら、
ぜひ展望回廊まで登ってみたいと思っています。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 10:59| Osaka

2012年02月14日

協力会総会のご報告

日中は日当たりが良いと暖かい日もありますが、朝晩はまだまだ寒いですね。
日本海側では大雪になっているようですし、春はもうしばらく先のようです。
皆様はインフルエンザになどかかってはいませんか?
今週は、先月に第一子(男の子でした)が産まれ、
名実ともに「オヤジ」になったばかりの大坂が書かせていただきます。

この1週間では、木工事完了検査が3件、外装工事完了検査が1件、
基礎配筋検査が1件ありました。

そして、先月には「優建築工房協力会」の総会と新年会を執り行いました。
以前にもご紹介したことがありますが、
私共では年に3回の協力会定時会合を行っております。
この会合は、約60社の協力業者の責任者が全て集まり、
様々な検討やルール作り、情報の共有などをする場です。
その1月度の会合が総会で、昨年度の活動の報告や
今年1年の方針などを発表していきます。
協力会風景

また、これも恒例の優良業者の表彰も行いました。
本当は全ての業者、職人さんを表彰したい気持ちなのですが、
特に昨年1年間に優建築工房の取り組みに積極的に
貢献していただいた業者を選ばせていただいています。
今年の表彰業者
今年の表彰業者さんです。

私共では昨年より、ISO14000の取得に始まり、
環境への取り組みを全社で行っております。
この取り組みには、現場で実際に作業する
業者さん、職人さんの協力が不可欠です。

ごみの分別はもとより、そもそもゴミをなるべく出さない工夫や、
環境への負荷の少ない材料の選定など、
協力業者に依頼することもたくさんあります。

まだまだ取り組みの途中ですが、
さらに協力して進めていくことを確認いたしました。

そして、これまでも改善を積み重ねてきた“現場の美化”について、
今年はさらなる改善に努めることも発表しました。

月に1度以上のパトロールの実施や、仮設計画、設営の改善に
今まで以上に取り組んで参ります。

特に外部の設営に重点を置き、
看板の社名を見なくても「優建築工房の現場だ」と
皆様に解っていただける現場づくりに取り組んで行きたいと思います。
また別の機会に、是非ご紹介させていただきます。

今年も1年間、優建築工房と優建築工房協力会の活動にご期待下さい。
宜しくお願いいたします。


おまけに、総会に続いて行った新年会の様子です。

新年会
昨年1年間の労をねぎらい、今年1年の決起の場でもあります。
ただ、お酒が入れば無礼講の楽しいパーティー(笑)
新年会は無礼講
オンとオフの切り替えもとても上手な、愉快な職人たちです。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 16:18| Osaka

2012年01月24日

ビフォー、アフター

こんにちは。施工管理課の両角です。
本年も宜しくお願い致します。

今年初ブログという事でオーソドックスな
ビフォー、アフターの現場紹介をさせて頂きます。
昨年末にお引き渡しをしました。H様邸です。

まずは玄関Before
玄関ビフォー

玄関After
玄関アフター
すっきりとした空間の中に下駄箱がいい味出してます!


リビングダイニングはこんなにすっきりしました。

リビングBefore
リビングビフォ

リビングAfter
リビングアフター

Beforeの和室にある3本の柱がAfterのリビングの化粧柱となっています。
床材にはパインの無節材を採用しました。
が、この材料なかなか調達出来るものではなく、
この床を使いたいと思っても、その時の在庫次第となります。
H様はたまたまこの材料があった時でした。強運ですね。

キッチンからリビングを見た所
リビングビフォ2

リビングAfter
リビングアフター2



やわらかい優建築工房らしい空間の出来上がりです。

今年もこんなやさしい空間作りのお手伝いをさせて頂ければと思っております。
本年も宜しくお願い致します。


施工管理課 両角

posted by sekou at 11:02| Osaka

2011年12月27日

今年も1年ありがとうございました

朝晩はめっきり寒くなり、早朝の現場は打ち合わせ中の息が
白くなる季節になりました。
気が付けばカレンダーも残り1枚になり、
いつも以上に慌しい時節ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

という書き出しで私が書いたのが、昨年の施工管理課の年末最後のブログでした。
1年が巡り、今年も年内最後の施工管理課ブログを大坂が書かせていただきます。


この1週間では、工事完了検査が2件、木工事完了検査が2件、
木造軸組み検査が1件、基礎配筋検査が1件ありました。

また、毎年この時期には今年も1年間
お世話になったお客様にご挨拶に伺っております。

残念ながらお逢い出来なかったお客様もおりますが、
たくさんのお客様のお顔を拝見してとてもうれしく思っております。

「大坂さん、また一回り大きくなった?(笑)」
「○○さんは元気にしてる?」
「優さんは頑張っているみたいねえ」

など、大変暖かいお言葉を頂きました。

そして、懐かしいお客様にお遭いする日々の中で、
今年1年のこともぼんやりと振り返っていました。

お逢いしたお客様とも様々なお話をいたしましたが、
今年1年を振り返ると、やはり3月11日に起きた
東日本大震災のことが今でも生々しく脳裏に蘇ってきます。

それ以外にも、例年に無い台風での被害や大規模な土砂災害など、
日本各地で大変な災害にみまわれた1年でした。

そんな象徴的な年に、私たちは環境ISOと呼ばれる
ISO14001の認証取得に取り組みました。

おかげさまで11月には無事認証を頂きましたが、
ISO14001の認証取得は私共の環境に対しての
取り組みの第一歩だと考えています。

環境配慮型設計の更なる進化、
素材や原材料の出所や素性も含めた選定、
廃棄物減らす施工の確立などなど。

まだまだ取り組まなければならないことがたくさんあるのです。

そして、優建築工房は来年の4月で創立10周年を迎えます。

これまでの10年に取り組んできたこと、
得意なところ、不得意なところ、他社を見習うべきところ、
私共が先頭を切って取り組むべきところ・・・。

取りも直さず私共自身のことを今一度見つめ直し、
環境も含め、我々の業務を通じて
これからの10年に向けて
今出来ることをひとつずつクリアしていこうと、
全社で新たな取り組みを始めています。

是非、これからの優建築工房にご期待下さい。

そして、改めまして、これまでも私共を支えてくださった
沢山のお客様にお礼を申し上げたいと思います。

今年も1年間ありがとうございました。

そして、来年もよろしくお願いいたします。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 13:05| Osaka

2011年11月15日

いつでもこだわりを持って

そろそろ冬本番の寒気団も入り始めるようで、特に朝晩は
かなり寒くなってきましたが、皆さんは風邪などひいていませんか?

今週は寒さが大の苦手で、なぜ人間は冬眠しないのだろうと、
かつて真剣に考えたこともある大坂が書かせていただきます。


この1週間では、工事完了検査が4件、木工事完了検査が1件、
外装工事完了検査が2件、外構工事完了検査が1件ありました。

その他に、新築着工前の地鎮祭が1件と、新築工事の上棟が3件ありました。


『上棟』とは、棟上げ(むねあげ)とも言う、
事前に加工しておいた柱や梁などの構造部材を、
たくさんの職人で重機等も使用して組み上げる作業のことです。

基礎しかなかった空間に、1日〜2日の間で主要構造体が一気に
組みあがる様は圧巻ですよ。

この日は、大工と鳶さんが計6人と、資材を吊り上げ運搬する重機を
使用して、上棟作業を行いました。
1

2

4

3
上の写真は、午前中のちょうど1階部分が組みあがった状態です。
普段なかなか見られないアングルの写真でしょ。


私共は、既存建物の増改築改装工事が主業ですが、
その施工ノウハウやこだわったプラン、
多様な素材使いやインテリアのデザインなどに
興味を持っていただいたお客様から、
新築工事のご依頼を頂くことが結構ございます。

既存の建物を調査、解析して劣化や間取りなどの
現状の問題点を把握し、
お客様のライフスタイルに合わせて改装計画を立て、
さらにこれからのライフスタイルをご提案する。

これが簡単に言うと増改築のときの流れですが、
実は新築の場合も基本的には同じです。

ただ、既存の建物が無い代わりに、計画地だけがあるということ。
(厳密には建替えの場合は、もとの建物がありますが、
それをそのまま使わないという意味では無いと同義)

そして、ベースとなる構造体がないということが大きな違いです。


もちろん、その他にも詳細に比較すれば様々な違いがありますが、
お客様の生活の場を計画して実現する、という観点では
共通するものがたくさんあると思っています。

ですので、増改築のときのこだわりをそのままに、
担当者は知恵を絞って計画を練り上げていきます。

そして、それに匠の技で応えてくれる協力業者の
職人たちにも感謝しています。

今回の建物でも、構造体の段階からこだわりのポイントが
あちこちに見られます。
5
斜めに架かっている化粧の梁材が、
わざと上にズレているのがわかりますか?
これにもちゃんと意味があって、
ここに後で連窓の天窓が化粧梁にぴったりと
嵌るように計画されているのです。

さらに、これは屋根を構成する垂木の詳細。
6

7

今回の計画では、通常の構成材とはかなり違っていて、
大きく屋根を出す為に、せいの大きな部材を現場で
一本ずつ加工して取り付けています。

これは詳細な斜めの加工なので、コンピューター制御とはいえ
工場の機械では出来ないのです。

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9

これはほんの一例ですが、お客様の新しい生活の場となる
住まいを実現する為に私たちは増改築、新築を問わず、
こだわりと責任を持って日々取り組んで参ります。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 11:48| Osaka

2011年10月04日

体感し、吸収し、昇華し、提案していく

ここ1週間ほどで急に涼しく、って言うより
むしろ寒いぐらいの陽気になりましたね。
皆さんは体調を崩したりしてませんでしょうか?

今週は、そろそろ散髪へ行くタイミングなのに、
寒くてついつい先延ばしにしてしまっている
大坂が書かせていただきます。


今週は、工事完成検査が2件、木工事完成検査が1件、
解体完了検査が1件ありました。
また、それとは別に、
ISO14001の検査機関による1次審査がありました。
おかげさまで、11月の認証取得へ向けて順調に
ステップアップしております。


ISO14001といえば、別名「環境ISO」とも呼ばれる、
環境負荷を管理・改善するための国際規格ですが、
先日に、住生活の環境への負荷を軽減することに
先進的に取り組んでいる工務店の仕事を見る機会がありました。

それは福岡県のエコワークスさんで、1泊2日かけて設計部の
中込チーフと一緒に視察に行ってきました。
今回のブログでは、その一部をご紹介したいと思います。


1件目は住宅地内にあるモデルハウスです。
写真1
恵まれた広さの敷地にゆったりと建っていて、
夏の日差しを遮る植栽がとてもきれいです。
屋根の上には、太陽の熱を暖房に生かすための集熱パネルがあります。

当日は60人以上の参加者があり、玄関は靴で溢れていました。
写真-2

中に入ると、部屋の床には屋根で温めた空気が噴出す
ガラリが各所にあります。
写真-3



2件目は、住宅展示場内にあるモデルハウスです。
写真-4
大きな流れの屋根を持つ建物で、この屋根形状は南面で
太陽の恩恵を目一杯受けるためのデザインなのです。

写真-5
大きな屋根面には、太陽熱集熱パネル、太陽光発電パネル、
太陽熱温水パネルが勢ぞろい。
そして、右上には風力発電のための風車まで設置されています。

私も今まで様々なタイプの自然エネルギーを
利用した住宅を見てきましたが、
ここまで徹底したコンセプトの住宅は初めてです。

そして、写真ではわかりませんが、熱損失を最低限にするための
開口部の取り方やサッシの性能、断熱や気密への配慮、
そして住まい手に対する住まい方の提案まで、
細部にまで配慮されていました。

下の写真は、今の発電量や住宅で消費しているエネルギー量などを
住まい手が見ることが出来るモニターです。
写真-6

他にも、実際のお客様の家を見学したり(プライバシーのために
写真は撮っていませんが)、小山社長の取り組みを詳しくお聞きしたり、
住宅と環境のあり方についてとても貴重な経験をさせていただきました。


私共では今まで以上に環境に配慮した住宅を提案するための第1歩として、
今ISO14001の認証取得へ取り組んでいます。
そう、これはまだ第1歩なのです。
環境への取り組み方は、住宅に関わる会社ごとに千差万別。

そして、お客様へ提案する住宅の内容も、決して1種類ではありません。

私共は、これからも様々な情報にアンテナを張り、実際に体感して、
自身の中に吸収して、それを優建築工房としての提案に昇華し続けて
いくことが大切だと、改めて認識した2日間でした。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 11:41| Osaka

2011年08月24日

温故知新A

夏の甲子園も終わり、暑さもピークを過ぎて
少しずつ秋へと移り変わっていくのかなぁ。。。
と思っていると、突然の猛暑やゲリラ豪雨に驚く日々。
不安定な天気が多く、また天気予報とにらめっこの
毎日が続く大坂が今週は書かせていただきます。


今回は、前回に引き続きいつもと趣向を変えて、
夏休み中に訪れた日光と那須塩原で
出会った建築についてレポートしたいと思います。

私が日光へ訪れるのは、
小学校の修学旅行以来のことですが、
28年ぶりに見る華厳の滝は、
その壮大な迫力に圧倒されました。
華厳の滝
「華厳の瀧」実際に目の当たりにすると、
曖昧だった当時の記憶が鮮明に蘇ってくる気がします。
確かこのあたりで集合写真を撮ったなぁ。。。などと。

そして、東照宮へ。
日光参道
「日光参道」
『日光を見ずして結構と言う無かれ』という
シャレが利いた格言がありますが、
子供のころはその意味がよく意味がわかりませんでした。
しかし、建築に携わるようになり、
改めてその優麗な建築を見て、とても感動してしまいました。

約300年も前にこんな建築を実現した
職人たちの技量と心意気に感服です。

五重塔
「五重塔」

陽明門
「陽明門」

そして、これは以前に京都を訪れた時にも思ったことですが、
修学旅行当時の自分では感じることの出来なかった
歴史や伝統に根ざした日本のすばらしさを感じ取ることが
できるようになったのだなぁと、感慨深い思いに至りました。
要は、歳をとったということかな(笑)

他にも、見ざる、言わざる、聞かざる、の三猿。
三猿
「三猿」
これは実は三匹だけではなく、
誕生から成長、悩み、恋愛、結婚、自立、子孫への伝達など
を表現した一連の彫刻の一部なのでした。

そして眠り猫。
眠り猫
「眠り猫」
左甚五郎の作と伝えられています。
実物はとっても小さくて驚きました。
向かって右側から見ると、うたた寝の様子。

寝てる
しかし、左側から見ると、何かに狙いをつけて
今にも飛びかからんとする姿。写真G

ちなみに、裏側には雀たちが遊ぶ彫刻があります。
うーん、深いですねぇ。

そして、内部の参道には両側に立派な木々が立ち並び、
暑い日でもそこだけ冷んやりとした空気が漂うような
荘厳な雰囲気がありました。
参道2
「参道2」

それから、ちょっとひと休みで、
日光の天然氷で作ったカキ氷をいただきました。
カキ氷
「カキ氷」

天然氷は口溶けが違う、と聞いていましたが、本当です。
いつかこの氷で美味しい水割りが飲みたいなぁと密かに思いました。


その後、那須塩原方面へ移動して、
途中訪れたもみじ谷大吊橋というところで
思いもよらぬ出会いがありました。
小川三夫氏作品1
「小川三夫氏作品-1」

これは、西岡常一さんの唯一弟子の小川三夫さんという方の作品です。

ここでは両宮大工の説明は割愛しますが、
日本の伝統建築とその技術の継承と復旧に
大変な功績を残された方々で、
私も学生時代からそのお名前や著作、
作品集などに触れ、身が引き締まる思いをしたものでした。

まさか、このような場所で目にするとは思っていませんでしたので、
とてもうれしいサプライズでした。

小さな祠のような建築ですが。。。
見てください。
均整の取れた美しいプロポーションですよね。
小川三夫氏作品2
「小川三夫氏作品-2」

日光東照宮の建築たちにも負けない、
きれいな木組みや美しい反りを持った化粧垂木。
小川三夫氏作品-3
「小川三夫氏作品-3」

小川三夫氏作品-4
「小川三夫氏作品-4」

妻面の飾りである懸魚や鰹木や千木の造作。
小川三夫氏作品-5
「小川三夫氏作品-5」

小川三夫氏作品-6
「小川三夫氏作品-6」

東照宮の、贅を尽くした豪華絢爛な美しさとは対照的な、
しかし、比例に基づく均整の取れた構成と、
確実な技術に裏づけられた細部の造作からなる美しさに
私はしばし目を奪われました。

過去の偉人たちの財産である作品と、
それを現代に伝える名工の作品に触れ、
建築の奥の深さと面白さ、
そしてそれを実現する職人の技術力に
大きな感銘を受けた体験でした。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 00:15| Osaka

2011年07月05日

温故知新

梅雨明け前から真夏のような猛暑の日が続き、
ニュースでも熱中症のことが多く取り上げられる毎日ですが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今週は、夏が大好きで、
暑い暑いと言いながらも実は元気に、
毎日のビールが楽しみな大坂が書かせていただきます。
今回は、先日のリフレッシュ休暇で訪れた
古民家の紹介をしたいと思います。


私は、現役の大学時代は
建築史の研究室に籍をおいておりました。
『建築史』という言葉は、
一般の方には馴染みの無い言葉かもしれませんね。

文字通り建築の歴史やその成り立ち、
伝統的な建築物や世界の各地域ごとの
特色のある建築などを研究する学問です。

ただ、私はその頃から
将来は住宅建築に携わりたいと考えていて、
学問としての建築史ではなく、
その中から現代の住宅建築に生かせるものはないかという、
非常に生意気な観点で研究に取り組んで、
中でも日本の古民家、
特に町家をテーマに論文を書いて卒業しました。

そんな経緯もあり、旅行先などで古民家や
各地域特有の建築物など見ることが、
今でも楽しみのひとつになっています。

前置きが長くなりましたが、
今回見てきた『門西家住宅』をご紹介します。
場所は、山梨県下部温泉のほど近くで、
とても自然に恵まれた山間の傾斜地域です。

車で行ける限界のところには、こんな看板が立っていました。
看板
ここから、歩いて3分ほど。
こんな風情のある石畳を登ります。
石畳

少し登るとこんな風景です。
周辺

さらに歩を進めると、最近葺き替えられたであろう、
まだ若々しい茅葺き屋根が見えてきます。
全景はこんな感じです。
全景
玄関面に美しい流れを持つ入母屋屋根で、屋根の頂点、
棟の部分には「置き千木」が設えられています。

「置き千木」は平野部の古民家より、良質な木材が多く採れる
山間の茅葺き屋根に多く見られる納めです。
こうしたちょっとしたところに地域の特色が出ていたりします。

 敷地の入り口には立看板があり、この住宅の説明が書いてあります。
立看板
江戸中期の建立だそうです。
ざっと200年は経っているってことですね。
すごい!!
それを昭和44年に修復したそうです。
建物に基礎は無く、礎石の上に柱が建っています。
礎石

玄関には大戸があり、大戸にはくぐり戸が付いています。
大戸
解りますか?
障子戸がくぐり戸で、
その周りの板部分も引き戸なんです。
普段はくぐり戸だけを使用し、
冠婚葬祭などのハレの日には
大戸もあけて開放的な玄関にするわけです。
これは町家などでも見られる構成で、
よく時代劇などでも見かけますね。

横には深い軒に覆われた縁側が続いてます。
縁側
良く見ると、軒先のちょうど真下には地面に溝が掘ってあり、
砂利が敷き詰めてあるのがわかります。

樋など無い古民家では、このように雨水を排水することで
敷地内が水浸しになるのを防いでいるわけです。

これは現代でも別荘などで採用されている方式と同様です。


こうして見てみると、地域の文化と気候などの
特色を大変良く考慮して成り立っているのがわかり、
とても感心してしまいます。

そしてもうひとつ、この敷地の前面の水路には、
もっと上部から湧き出た、
とても澄んできれいな水が流れていました。
水路
これは、当時からこの地区に住んでいる人々の
生活を支えている水なんだろうなぁと思っていたら、
隣に住んでいるおばあさんが顔を洗っていました。
その下部の家では、この水で野菜を洗っています。
まだまだ現役で活用されている水路なのです。

そして、この門西家住宅で一番感銘を受けたのは、
まだこの古民家には人が住んでいるということです。

ただ資料として残しているだけではなく、
立派に活用して住み続けているということに、
とても感動してしまった私でした。

家人はお留守でお話をお聞きしたりは出来ませんでしたが、
ぜひこれからも永く住み続けていただきたいと節に願いました。

住宅のリフォーム・増改築という仕事に携わるものとして、
襟を正さずにはいられない経験でした。

施工管理課 大坂

posted by sekou at 09:00| Osaka

2011年05月31日

緑のカーテン

例年より1週間も早く梅雨入りし、
毎日うっとおしい雨が続いておりますが、
皆様いかがお過ごしですが?

今回は、節電について書かせて頂きたいと思います。

今年の夏、東京電力管内では、一般家庭も「15%の節電を」と、
経済産業省から発表がありました。

我家では、どのように節電出来るか考えてみました。

まずは、待機電力を減らす事にしました。
一般家庭の待機電力は、4.0%位になるそうです。
その内、エアコンやテレビなどの使っていない
家電製品のコンセントを抜く事で、≒2.0%の節電になるそうです。

早速、エアコンのコンセントを抜き、良く使う電子レンジやパソコンなどは、
スイッチ付の延長コードを使って、待機電力を減らす事にしました。
エアコンコンセントスイッチ付き延長コード

また、電力需要のピークは、夏の14時頃、
そして、その電力消費の役半分がエアコンによるものだそうです。

我家では、エアコンの使用を減らす為、緑のカーテンを作りました。
緑のカーテンは、ゴーヤや朝顔を育てるのが一般的ですが、
キュウリが大好きな私は、実益を兼ねて、キュウリを育てる事にしました。
緑のカーテン
緑のカーテン

節電目的で育て始めた事でしたが、
今では、毎朝水をあげながら成長を確認するのが楽しみになりました。
緑のカーテンは、室内温度を1.7℃下げる効果があるそうです。
私にとって緑のカーテンは、それ以上の効果があるようです。

収穫したキュウリをつまみにビールを飲む日が待ち遠しいです。

施工管理課 早川

posted by sekou at 14:10| Osaka

2011年05月24日

日々是勉強

5月も中盤を過ぎ、日によっては肌寒く、
また日によっては初夏の陽気…という毎日、
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今週は、予定が合わず延期していた人間ドックを間近にして
少々ビクビクしている、大坂が書かせていただきます。


この1週間では、木工事完成検査が1件、
軸組み完成検査が1件、解体完了検査が3件ありました。

それとは別に、優建築工房協力会定時会合がありました。

協力会
この会合では、年に3回、全ての協力業者の参加のもとに、
マナーの向上や様々な施工上の改善などを議論、検討しています。

そして、今週はもうひとつ、私共が加盟している
住環境価値向上事業協同組合(SAREX)』 の年次総会があり、
私も参加してまいりました。

総会
SAREXは、日本全国から60社以上の工務店と
15社以上の資材商社などが加盟している組合で、
私共も2007年より加盟しています。

毎月、様々なワークショップを行い、
住宅業界にまつわる勉強や情報交換等をしているのですが、
今回はその総会とメンバーズサミット、
そして翌日にはワークショップ特別編と、
2日間みっちりと勉強してきました。

たくさんの方がそれぞれのテーマで講演、討議を行いましたが、
特に、今回は先の東北地方太平洋沖地震の現地からの報告に
多くの時間が費やされました。

その中でも、SAREXでいつも木構造にについて指導していただいている
山辺豊彦さんからの報告は、地震と津波による被害情況を、
構造的見地から解説され、とても興味深いものでした。

総会2

そして、今回の津波のエネルギーの凄まじさを
改めて認識するにつけ、驚きは大きくなるばかりでした。

例えば、最も大きな津波が建物にぶつかる時の力は、
1u当たり10tを超えていたそうです。

通常、建物の外壁の設計では、高い数値でも120s/u程度です。
なんと、ざっと想定の80倍以上ということになります。
それ以外にも様々な報告と議論がなされ、
住宅建築に携わる者として、
これからの自身の取組みとして何が出来るのだろう、
と考えずにはいられませんでした。

しかし、だからこそ日々勉強を重ね、
よりお客様が安心して快適に過ごせる住まい造りに
取り組み続けなければならないと、
責任の重さを痛感してまいりました。

この経験と想いを、全社員、全協力業者で共有して、
これからの優建築工房の家造りへ反映していきたいと思っています。


施工管理課 大坂

posted by sekou at 15:09| Osaka

2011年04月05日

見えないディテール

4月に入り、桜の開花に関するニュースも耳にする季節
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今週は、春本番で過ごし易い陽気、と言うよりも、
ますます花粉症に悩まされている大坂が書かせていただきます。

前回の私が担当したブログは、2月8日にUPされています。
そこでは、こんなことを書いています。

〜 九州の霧島山・新燃岳の大噴火!!!
近年では、1991年の長崎の雲仙・普賢岳の噴火や
土石流が記憶に新しいですが、
改めて私達の地球は生きているんだ!・・・ 〜

そして、この度の東北地方太平洋沖地震。

報道等で被害の状況を目の当たりにするたびに
本当に胸が痛みます。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、
被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。

私共に出来ることはとても小さなことですが、
出来る限りのことをしよう。
そして、私共の本来の仕事を
今まで以上に精一杯努めていこうと、
社員一同想いを新たにいたしました。


そんな中、この1週間では、木工事完成検査が2件、
軸組み完成検査が2件、解体完了検査が2件、
基礎配筋検査が2件ありました。

今回は、その中の1件、
基礎配筋検査をした現場を紹介したいと思います。
現場全景
この建物は、1,2階合わせて約50坪の床面積がある新築の建物です。
1階が美容室で、2階は2所帯分の賃貸住宅となる計画です。
そのため、基礎の形状が通常の住宅とはかなり異なっています。

配筋状況1

背筋状況2

中心に中庭があるロの字型のプランで、
室内は大きな一体空間のようになっています。
ですので、内部には基礎の立ち上がりがほとんどありません。

しかし、上部建物の荷重、
そして地震や風等の外的要素による応力を
しっかりと地面に伝えるために、
地中梁という地面側に抉り取られた
構造体が碁盤目のように造られています。

地中梁

配筋詳細

また、靴のまま内部に入る店舗ですので、
地盤面から1階の床までの高さを低く抑えるための工夫もされています。
とくに、中庭との連続性や一体感にこだわり、
基礎と上部構造躯体との結合方法や開口部(木製の予定です!)
との取り合いに綿密な計画がなされています。

中庭周り

このようなところは、実は完成するとあまり気にならない、
あるいは見えない部分だったりします。

しかし、意匠を成り立たせるために、
後では見えないディテール(細部の納まり)に
工夫を凝らすことがとても大切だと常々思っています。

まだわかりづらいですが、工事が進むに連れて
各担当からより詳しい紹介が出来ると思いますので
ご期待下さい。

施工管理課 大坂

posted by sekou at 13:43| Osaka

2011年03月15日

被災地の皆様へ

被災地の皆さまへ

東北地方太平洋沖地震により亡くなられた
方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。

被災地の一日でも早い復興をお祈りし、弊社としても
できるかぎりのご支援・ご協力をさせていただく所存でございます。

弊社では通常営業を致しておりますが、計画停電の影響などに
より電話がつながりにくい場合がございますが、
ご了承下さいますようお願い申し上げます。

株式会社優建築工房
代表取締役 柳井 剛

posted by sekou at 10:19| Osaka