2010年07月13日

ハイブリット

こんにちは、施工管理課の平野です。
じめじめとした日が続いていますが、クーラーの効かせ過ぎには注意!です。

先日、移動中にガソリンスタンドに寄った時のこと、
窓を拭いてくれていた従業員の方に「ワイパーかなり傷んでますね、
すぐに取り替えられますがいかがですか?」
と言われ、「そういえば雨の日、前が見づらいな。と思っていたんだったっけ・・
ちょうど良いタイミングだし換えてもらっちゃおう。」
ということで、ガソリンを入れてもらっている間に取り替えてもらい、
なんだか得したような、良い気持ちになったことがありました。
感じの良い接客だったし、良い「気づき」だな〜と感心しました。

車といえば、電気とガソリンの両方を利用する「ハイブリッドカー」が人気ですが、
私たちの仕事も建築というモノ造りの面と、直接お客さまと接するサービス業の
面を併せ持つ、いわば「ハイブリッド」だと思います。

現場監督としては、設計担当から引き継いでいる工事内容だけでなく、
工事が始まってからの「気づき」が大事だということは
常々言われていることです。

現在工事中の物件では、外壁塗装のために足場を設置したところ、
下からは見えづらい部分に傷みを発見。
破風・軒天「破風・軒天」
破風板の継ぎ目から雨水が浸入して朽ちてしまっています。

また、「雨風の強い時に出窓から水漏れする」とお施主様から
言われていたため、外を見てみると、
庇が下地のベニヤから朽ちてしまっており、
手で持ち上がる状態になってしまっていました。
出窓庇「出窓庇」

これは何とかしないとイカン!ということで大坂常務を始め、
大工さん・板金やさんと相談して補修方法を検討。
これから費用を算出してお施主様にご相談するところです。
足場を設置して数日が経ち、既に外壁塗装の段取りに入っていた
タイミングだったため、「もっと早く気づいていればよりスムーズだったな・・」
と反省。今後に活かさせて頂きます!

お客さまが気づかないことや、口には出さないが感じている不安や不満。
そういったものに気づけるアンテナと、知識・対応力を磨かなくては!
どうせなら一流の「ハイブリッド」になりたいと思います。


施工管理課 平野

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2010年06月01日

スピリッツ vol.2

ここのところ不安定な天気が続いていましたが、
今週は悪くなさそうな予報。
晴れていると太陽の光が熱く感じられる時期になってきました。
これから夏にかけて、晩飯のお供にハイボールは欠かせない、
施工管理課 平野です。

ハイボールとはウィスキーのソーダ割りのことですが、
昨年あたりから人気が再燃しているようですね。
コンビニで缶入りの「角ハイボール」が売られていたり、
飲んだことがない人にもとっつきやすくなってきて
ウィスキー・ファンとしては嬉しい限りなのですが、
やはりどうせなら
瓶のウィスキーを買い(角瓶でも何でも 安いので良い)、
グラスもそれ用の透明で背が高めのものを用意し、
氷をグラス目一杯までぶちこみ、
ウィスキーを適量注いでよく混ぜ、
炭酸が逃げないようにゆっくりとソーダを注いだら
マドラー(うちにはないので箸!)で一回だけ縦に混ぜて、
あとはもうガブ飲みする、
という一連の過程も含めて楽しみたいものです。

ちなみに、自分でハイボールをつくるようになったら、
ウィスキーはなんでも良いですが、ソーダにはこだわるべきです。
今まで試した中ではサントリーの「ザ・プレミアムソーダ・ヤマザキ」
が一番でした。きめ細かな泡が最高にウィスキーに合います。
気になった人はどうぞお試しあれ。

つい、お酒の話が長くなってしまいました。。
話を変えます。
今回は「スピリッツvol.2」。
現場レポートのコーナーで取り上げさせていただいた I 様邸。
そこで私が見た「スピリッツ」をご紹介したいと思います。

パース
↑安藤課長作のパース(イメージスケッチ)

冷蔵庫を目隠しするようにLDK内に計画された飾り棚。
(冷蔵庫パーテーションと呼ぶことにしました。)
展開図
<展開図>

設計図面を元に、細かな納まりについて担当の安藤課長と
すり合わせを行い、施工図を作成。
施工図
<施工図>

それを見せながら大工さんと打ち合わせを行いました。
以前、私のブログ「スピリッツ」 でご紹介したK様邸も担当していた大工さん。
造作の上手さはお墨付きです。
「・・・・よし、それでいきましょう」と、話がまとまったところで、
あとは材料が揃うのを待ちます。

その日 私が現場確認に行った時、大工さんがちょうどその部分に
手を付け始めていたところでした。
大工さんの頭の中ではもう組み上がるまでの段取りが出来ているようで
動きに無駄がありません。

そのスピリッツに引き寄せられた私は全てを見届けたくなり、
「お〜」「なるほど!」「素晴らしい!」などと感嘆の声を上げながら
造り上げる過程を写真に収めずにいられませんでした。

柱型1  <柱型1>
床下地に使われる根太材を3本抱き合わせた柱型を立てます。
三方には既に厚さ15mm程のタモ無垢材が貼り付けられています。
棚板付け< 棚板付け>
柱に張付ける 残った一枚に棚板をビス留めしていきます。 
柱型に貼り付け<柱型に貼り付け>
それを柱型に貼り付けました。水泳の飛び込み台のようです。
ベニヤ差込1<ベニヤ差込>
ベニヤ差込2<ベニヤ差込2>

あらかじめ棚板に溝を彫っておき、背板となるベニヤが差し込まれます。
この背板は9mm厚のラワンベニヤに3mm厚のタモ突き板を
家具職人さんに工場で圧着加工してきてもらいました。
棚板固定 <棚板固定>
もう片方の柱型に巻く一枚を立て、棚板と固定します。
柱型2<柱型2>
一番初めと同様に造っておいたもう片方の柱型を立て、
クランプで押さえ付けます。
接着材が効いたらクランプを外して大工さんの仕事は完了です。
大工完了<大工完了>
裏側<裏側>
その後、オスモワックスが塗られ、
背板リビング側には布クロスが貼られ、
上部キッチン側は、あらかじめ彫っておいた溝にケシガラスが入り、
冷蔵庫パーテーションの完成です。
完成後全体
<完成後全体>
完成後<完成後>

出来上がってみると何事もなかったかのように佇んでいますが、
組み上がるまでの過程は勉強になったし、なんだかワクワクして
楽しいひとときでした。
後は、住い手である I 様に自由に楽しんで使って頂けることを願います。
水割りにするもよし、ロックもよし、もちろんハイボールにしても!
・・・って話しが違いますね!


施工管理課 平野

posted by sekou at 13:06| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2010年04月13日

No pain, No gain

こんにちは、施工管理課の平野です。
先週末は天気が良く、気持ちが良かったですね。
皆様お花見などは楽しまれたでしょうか?

今週は健康診断があります。
あれよあれよと30代に突入してしまったし、家族もあることなので
もう少し健康に気を使わないといけないかな。。と思い始めています。
そんななか、
「無痛の胃カメラ検査がある。麻酔して眠ってるうちに終わってしまうよ」
との話を大坂常務から聞き、通常の胃カメラ検査は想像しただけでも
気を失いそうになるビビりな私も、「それならやってもいいかも!」と
思ってしまいました。来年あたりやってみよう。

「痛み」といえば、私の好きな言葉があります。
「No pain , No gain」
英語のことわざです。
直訳すると「痛みなくして得るものは無い」。
その意味と、英語の韻を踏んだ感じが好きです。
壁に直面した時には、この言葉を思い出すようにしています。

話は少し変わりますが、、

誤解を恐れずに言わせて頂くと、
リフォーム工事というものはお施主様にとって
多少なりとも痛みを伴なうもの。

現在お住いの家を大規模にリフォームされるのであれば、
慣れない仮住まいで数ヶ月間過ごして頂くこともあるし、
その引越し作業も大変な労力がかかるでしょう。

お住まいになりながら工事をさせて頂く場合には、
家具などの移動をお願いしたり、
生活スペースが一時的に狭くなってしまうことがあります。

水まわりの改装があるときは、それが使えない期間が出てきますし
工事中は人の出入りも多くなります。

私たち現場監督は技術的なことだけでなく、
その痛みを和らげる気配りをすることも大事な仕事です。

着工前に出来ることといえば、
工事規模の大小に関わらず、担当者が考えた工程や仮設計画
を見ながら工事部長(常務)と施工管理課チーフを交えて工事の
流れを確認する「施工レビュー」という打ち合わせを行います。
担当者ひとりの考えではなく、
複数の目でチェックすることで留意すべき点や、
「こういう流れの方がお施主様にかかる負担がすくないよ!」
などの議論ができます。

特に、お住まいになりながら
複数のお部屋や水回りを工事する場合などは、
エリア分けして工事をしないと生活が出来なくなってしまうため、
通常の工程表と一緒に、物や人の動きの流れを色分けして
図面に記入したものをお渡しすることもあります。↓
工程表と色分け図面
これがあった方が事前に工事の流れが分かりやすく、
物の移動の準備をして頂く事にも役立ちます。

工事が始まれば、
私たちが手を加えない部分にホコリや傷が付かないよう養生したり、
お使いのカーテンなどは、仮に工事用の紙カーテンに交換しておいたり、
(付けたままだと汚れる可能性があり、外したままだと丸見えになって
しまいますからね。特に夜。)

お施主様の生活動線上に明らかに邪魔になるところに資材などが
置かれていないか?

マンションなどの共同住宅では、共用部を汚していないか?
駐車場所などの管理規約は守られているか?

・・・などなど、気を配るべきポイントはたくさんあります。

こう言ったところが、リフォームのサービス業的な側面のひとつで、
この完成までの過程が、ずさんだとお施主様の大きな満足には
つながらないでしょう。

「工事中なのだから仕方がない。」と言って思考停止してしまう
のではなく、より良い方法を模索する。

工事に関わる人間全員がその気持ちを持っていれば、
きっと、その過程も完成後の仕上がりも
素晴らしいものが出来るはずです。

決して楽ではありませんが、完成後に
「思い通りの住いになった!リフォームして良かった。」
という言葉が聞ければ、全てが報われる気がします。


施工管理課 平野

posted by sekou at 13:52| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2010年03月02日

チリ

こんにちは、施工管理課の平野です。

熱かったですね、バンクーバー冬季オリンピック!
やはりスピリッツがこもった真剣勝負は、
見る者に感動を与えてくれますね。
終わってしまうとなんだか少し寂しい気持ちになります。

ところで、南米のチリで大規模な地震が発生しました。
今回はシャレではなくて本当に偶然なのですが、
このブログを書いているとき(2/27に書いています)に
そのニュースが飛び込んできました。
現地の状況が気になります。

今回テーマにした「チリ」は、私たちの仕事の中では
“異なる部材の仕上げがぶつかる部分の段差”
というような意味のこと。
窓枠・建具枠と壁面のチリ、棚板・カウンター材と壁面のチリ、
などひとつの物件の中にもいたるところにチリは存在します。

枠材などのチリは壁面よりも10〜15mm程度
出っ張らせることが一般的ですが、
デザインや納まりの都合上変えることもあります。
写真1 
このように、あらかじめ図面上で指示がある場合もあれば、
無いときは週一回ペースで物件ごとの担当者が集まって行う
社内打ち合わせ「定例打ち合わせ」の中で話し合うこともあります。

例えば・・・
先日お引渡しさせて頂いたO様邸。
マンションの間仕切を取り払って大きなLDKをつくり、
設備や内装のほぼ全てをリフォームしました。
キッチン・ダイニング
白のポリエステル合板使用
これは白ポリの固定棚が取り付けられた壁。
お気に入りの写真や小物などを飾るギャラリースペースとしてデザイン
されています。
自分ならTHE CLASHの名盤「LONDON CALLING」のレコードジャケットは
間違いなく飾るな!
なんて想像を膨らませながら、チリについて考えてみました。
「白いクロス貼りの壁に白い棚板。棚板はあまり主張したくなさそう。
それにLDKの出入り口の引き戸を開けると、
この壁の側面が目の前に飛び込んでくるから
壁の角がスッキリ通っていたほうが見栄え良さそうだ!」という考えに至り、
大工さんに棚板を壁面より少し引っ込めるように指示。
角スッキリ引き戸をOPEN
対してタモの集成材で造った大きなアイランドカウンターは
存在感があるので壁よりチリを出しています。
↓こう見比べると分かりやすいでしょうか。
チリ出し仕上げ
ちなみに、上に載せた図面の「ほぼチリなし仕上げ」は
違う物件のものですが、こういう感じです。↓
チリなし仕上げ 
小さな事ですが、このチリというやつは油断すると見栄えだけでなく、
後工程で絡むものによっては妙な隙間ができたり、
近くに取付けた収納の引き出しが建具枠のチリに当たって
開ききらない・・・・なんてことにも影響します。

チリから学んだことは、「仕上がりを想像しながら今どうしておけば
良いのか、考え実行しチェックする」こと。
私が自分の担当物件を持ち始めたころ、
早川チーフから「頭の中では完成した立体的なイメージが出来ていて、
あとはそれを追いかけていけばいいんだ」
と言われたことを憶えています。
私たちはプロとして、
常にその想像力を持っていなければいけないんだと思います。


施工管理課 平野

posted by sekou at 13:49| Comment(330) | Hirano(設計課へ引越し)

2010年01月19日

エッセンス

こんにちは。施工管理課 平野です。
新年が明けて、もう半月を過ぎましたね。
本年もよろしくお願い致します。

年末年始は特にどこかに出掛けたということもなく、
両親や親戚のところに子供の顔を見せに行き、
昼間からお酒を飲んだりして(笑)、のんびりと休ませて頂きました。

今回は現場から少し離れて、私がハマっている事「料理」について
お話させて頂きます。

1年くらい前から、休日のご飯を作るようになりました。
最初は妻のつわり中に、必要に迫られ作っていた料理でしたが、
いつの間にか楽しくなってしまい、
自ら進んでキッチンの前に立つようになりました。
また、多くの建築家の著書やブログなどで、
料理に関することが書いてあることが多いということも、
好きになった要因のひとつかもしれません。

やっているうちに、自分の仕事と通じることに気づきました。
限られた予算(材料)・スペース・時間のなかでモノを作り上げる。
一品だけ、というのも寂しすぎますから、
何品か作るとなると効率よく作業しなければなりません。
設備も限られているので、段取りよく進めないと「手待ち」になって
しまいます。
・・・・なんだ、これはもう現場と同じゃないか!
さすがに「今日の夕飯工程表」は作りませんが、
献立を決めた時点で頭の中で段取りを組んで進めます。
「あぁ、春雨ゆでるの忘れてた・・・」なんてこともしばしば有りますが、
現場監督としての良い鍛錬にもなっているような気がします。
(ある意味これも職業病でしょうか?)

それとやはり、男子たるもの道具にはこだわりたい。
腕はなくても形から!
チャーハンにハマった私は、テフロン加工のフライパンでは物足りず、
ついに鉄の中華鍋(北京鍋)を購入してしまいました。
   中華鍋&おたま
この中華鍋は、一枚の鉄板を何千回もハンマーで叩いて形作る
「叩き出し」という製法で作られているそうです。
この武骨な感じがたまりません。

取っ手も一体だから布を巻かないと持っていられないし、
使い始める前に空焼きして表面の錆び止め塗料を焼ききったり、
油をなじませなければいけなかったりと、
正しく使うには手間がかかります。
以前、設計課の桜井チーフのブログで登場した、 無垢の床板みたいな
ものでしょうか。手間がかかるだけに愛着が沸くことだと思います。
そして、使いこなすのにも時間がかかりそうです。
さしずめ腕が良いけどクセのある職人さんのよう。
簡単には使いこなさせてくれなさそうです。

生活の中に、何か自分がこだわりを持ったものを取り入れることは、
ちょっとしたエッセンスになって楽しいものです。
そんなモノや空間をつくるため、今年も精進します!

(おまけ)
先日、一年点検でお伺いしたY様に
「あんまりカタイ内容ばかりじゃなくて子供の写真とかも載せて!」
と言われていたので、親バカ写真載せちゃいます。

ここみ    
くしゃくしゃの笑顔!


施工管理課 平野

posted by sekou at 11:36| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2009年11月24日

最初が肝心

こんにちは、施工管理課の平野です。

めっきりと寒くなってしまいましたね。
皆様、風邪などひいていないでしょうか。
ちなみに我が家では風邪が蔓延中です。
妻は「頭が痛い」と訴え、娘はなにやらゴホゴホいっている。
私も喉がイガイガするような。。。
イカン、私がしっかりしなくては!と栄養ドリンクを一気飲み。
いつもより少し早めに帰宅し、娘の世話や家事を手伝ったりして
休ませているうちに妻が回復。娘が寝ないと自分も寝れないので、
風邪をひいてもゆっくりと休めなかったらしい。
子育ては大変だなぁと実感しました。

さて、今回はリフォーム工事における解体工事についての話です。
リフォーム工事には、多かれ少なかれ発生する作業。
現場の養生をしっかりと行ってから、最初にする作業が「解体」です。

解体工事中の現場を見るときは、新しく造られていく過程を想像しながら
チェックします。
「ここはこうなるからここまで壊しておかないと」とか
「ここは新しい壁の下地として使えそうだから取らないでおこう」とか、
「この造作材は、再加工して使えるかもしれないから丁寧に外しておこう」
とか。
設計図面には表しきれない部分の判断をする必要があります。
キッチン床下地
↑元々キッチンだった部分の床板を剥がしたところ。根太は残しています。

写真手前の床板が残っている部分までがリビングで、
壁を挟んだキッチンは少し床に段差が付いていました。
今度はLDKで一続きになるので、床の高さを合わせるためと、
キッチン交換に伴う配管移動のために床板を剥がしました。
計画上はここまで広い範囲で剥がさなくても良かったのですが、
設備業者さんが配管を移動する仕事のやり易さ等を考慮した結果です。
ついでに、根太の間に断熱材を追加してあげることも出来ました。
(写真ではまだ入ってませんが)
他にもいろいろとあるのですが、また改めてご紹介するとして…

解体工事は、現場監督の腕が問われる部分が大きいと思います。
判断を誤ると余計なコストや手間がかかってしまう。
大規模な解体工事では、安全管理も当然大事になってきます。
解体工事がうまくいくかで、その後の仕事の進め方から仕上がりや、
お施主様との信頼関係にまで影響するといっても過言では無いでしょう。

何事も「最初が肝心」ですね。

施工管理課 平野

 

 

 

 

 

posted by sekou at 19:32| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2009年10月06日

「スピリッツ」

こんにちは、施工管理課の平野です。
今年も早いもので、もう10月に突入しましたね。

「ウィスキー大スキー」な私は、夏場はソーダ割り(ハイボール)で
スカッと! 涼しくなるとオンザロックか、少し水を加えたもので
ちびちびとやるのが、帰宅後のささやかな楽しみのひとつです。
今回のテーマ 「スピリッツ」は、そんなお酒の話・・・ではなくて
「魂」の方です。

さて、前回のブログでもご紹介させて頂いたK様邸。
先月、無事お引渡しが済みました。
そこで私が見た「スピリッツ」をご紹介したいと思います。

梁木工事中
↑大工工事中の、1階リビング天井の写真です。
古い天井を撤去し、勾配天井にすることで空間を広げる設計です。
今まで天井裏に隠れていた梁が”現し”になりました。

新しく入れ替えた柱が3本見えますが、そのほかに撤去した
柱があるため、既存の梁下に新しい梁を足して補強をしています。
黒ずんだ既存の梁と、真新しい梁の違いがはっきりと分かり
このままだと少しちぐはぐな印象です。

古い木材をきれいにするには、ペーパー研磨やあく洗いといった
方法がありますが、加減が難しい。
現場で塗装やさんに相談したところ、「あく洗いをして、仕上げに
ウッドワックスを塗れば馴染むから大丈夫。任せて欲しい。」と、
静かながら自信を感じさせる口調に「スピリッツ」を感じ、
その場を託しました。

そして完成後の写真がこちらです。
梁仕上がり
くすんでいた古い梁は木の味わいを残しながら綺麗になり、
新しいものと馴染んでいます。
一体感が出たので空間のダイナミックさも増したように
感じました。


次に、階段の吹抜け部分です。
既存の壁と天井を解体して吹き抜けに。
階段自体は既存ですが、周辺の手摺や柱・梁を化粧の木材で
仕上げています。
3階段まわり

絡み合う木の造作は、ごまかしが効きません。
試行錯誤しながら丁寧に造り上げていく、
大工さんの「スピリッツ」を感じました。

今回ご紹介したような目を引く部分だけでなく、
表には出て来なかったり、素通りしてしまうようなところにも
「スピリッツ」は込められています。
それを感じることは自分自身にも大きな刺激になるんですよね。

皆の素晴らしい「スピリッツ」に乾杯です!

施工管理課 平野

posted by sekou at 09:00| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2009年08月11日

いかすもころすも

こんにちは、施工管理課の平野です。
夏本番!ですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私の場合、夏といえば各地で開催される
「ロックフェスティバル!!」と、
いきたいところですが、うちにはもうすぐ生後6ヶ月
になる娘がいるので今年は自粛です。

昨年は、友人と妊娠安定期に入っていた妻も連れ、
千葉で開催された「サマーソニック‘08」
というイベントに行きました。
さすがに身重の妻が一緒なため無茶をせず、
後ろの方で大人しく観ていましたが、
お目当てのひとつだった「sex pistols」の
演奏が始まった時には、
たまらず妻を安全な場所に待機させ、
ステージの方に引き寄せられていってしまいました。
後で、怒られたのは言うまでもありません...
なにはともあれ、
そんなロック的胎教がバッチリだったのか、
娘は興奮すると、「ウキャ〜!!」という、
なかなか良いシャウトを聴かせてくれます。
・・・親バカな前置きはこれくらいにして。。。

今回は、リフォーム工事における、現場での
“ちょっとした工夫”をご紹介させて頂きたいと思います。

工事中のk様邸。
現在、大工工事が完了し、塗装工事などの仕上げ工程
に入ったところです。

k様邸の内部は全体的に、伝統的な日本家屋に見られる
「真壁」という、柱が露出している納まりになっていました。
(対して、壁の中に柱が納まっているのが「大壁」)
リフォームのプラン上、
その「真壁を残す部分」と「大壁に造りかえる部分」
が混在する空間があったり・・・
古いものと新しいものとの違和感が無いように納めること
が課題のひとつになってきます。

改装前  『改装前』

 大工工事中 『大工工事中』

上が改装前、下が大工工事中の、廊下の写真です。
(角度が微妙に違いますが、位置関係は同じです)

「天井と柱、それと柱に刺さりこむ様に横に走っている『鴨居』は
既存のまま、新規にガラスを入れる開口枠が付いていたり、
今まで引き戸があった部分が壁になっていたり・・」

という風に見えますが・・・
実は、写真の手前から2本の鴨居は造りかえています。
上にガラスを入れる加工をするため、既存の鴨居を撤去し、
他の部屋で撤去した柱材を大工さんが鴨居として再製しました。

新しい材で造って塗装で合わせる、という手もありますが、
「廊下を走る鴨居のラインを大事にしたい」という設計の思いに応え、
「より馴染むように」大工さんと相談し、柱材再利用案を採用しました。
これならば、経年による木の 色の変わり具合も同じなので塗装の
必要もありません。
言われなければ分からない、地味だけど良い仕事です!

現場は一件一件、状況は様々です。同じものはふたつとありません。
いかすもころすも、私たち つくり手の知恵と技術次第。
そんな場面に、しょっちゅう出くわします。
頭を悩ませることもありますが、面白いところでもあるんですよね〜

他にもご紹介したい見せ所はありますが、またの機会に!
 
施工管理課 平野

posted by sekou at 13:58| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)

2009年06月30日

フィットする


はじめまして。
施工管理課の平野です。

初めての今回は、日常の業務とは離れたところからですが、
「私たちの仕事にも通じるな〜」と感じたことを、
自己紹介も含めつつ書かせて頂きたいと思います。

東京都世田谷区に、有名無名問わず多くのミュージシャンが
スーツをオーダーしに訪れる、あるお店があります。

今から数年前、私は建築現場で職人として仕事をしながら、
音楽好きが高じ、週末はバンド活動という日々を送っていました。

音楽が好きになるきっかけとなったビートルズから始まり、
60年代・70年代の、特にイギリスのミュージシャン達から音楽的に、
またファッションの面でも大きな影響を受けました。

the jam 『 The jam』

the clash  beatles

 『The clash』         『The beatles』

そうなるとやはり、彼らが着ていたようなタイトなスーツ
「モッズスーツ」が欲しくなり、当時のバンドメンバーに相談
したところ「ここに頼めば間違いない!」と勧められ、
前述したお店で仕立ててもらうことにしました。

基本形のサンプルを基に採寸してもらい、生地選びやポケット
ボタンの形状などのディティールまで、店主のおじさん(失礼!)
からアドバイスをもらいながら、自分の好みに合わせたものを
オーダーし、出来上がった時は本当に嬉しかったです。

最近は仕事中も含めスーツを着る機会が少なくなってしまった
のですが、先日久しぶりに袖を通した時に、

「自分にフィットしたものを身に着けるのって気持ちが良いな!」
と改めて感じました。

洋服と住まいの違いはありますが、その気持ちは私たちの仕事
にも通じるものがあると思います。
住まう人のくらしにフィットする、そんな住まいをつくるために
”日々精進しなくては!” そんな気持ちになりました。

長くなってしまいましたので、今回はこの辺で!

↓今日はS様邸完工検査でした。

S様邸

『施工例』 


施工管理課 平野

 

 


 

posted by sekou at 11:41| Comment(0) | Hirano(設計課へ引越し)